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第2フェーズ-A: 2006年2月〜2007年3月


プロジェクト概要

UNEPイラク南部湿原プロジェクトではイタリア政府の支援により、イラク南部湿原の持続可能な管理のために必要と認められた基本データ分析や情報共有、そして能力開発の推進に向けた取り組みを行いました。第2フェーズ-Aと呼ばれるこのプロジェクトでは、イタリア政府の資金提供の下で、イラクの関係諸機関が組織的な湿原管理マスタープランを作成し、実施するための、基本となる活動を支援しました。

第1フェーズではデータ収集と分析の基盤として湿原情報ネットワーク(MIN)を構築し、それと同時に必要なハードウェアの設置を行い、イラク主要関係機関を対象にシステムの利用と管理についての研修を実施しました。第2フェーズ-Aでは、このネットワークにアクセスする機関の数を増やし、UNEPやその他の機関のさらなる関与に必要と思われる追加データの収集と分析を支援し、イラク内外で本システムを活用するための研修を実施することによって、ネットワークの拡大を推進しました。

このフェーズでは下記の5つの活動が行われました。


活動

活動1:キックオフ会合・調整会議の開催(2006年4月7日、パリ(フランス))

UNEPイラク南部湿原プロジェクトのうち、イタリア政府の援助で実施される本フェーズの目的を説明するためのキックオフ会合と調整会議が、2006年4月7日に開催されました。この会議にはイラク環境省(MOE)、水資源省(MOWR)、地方自治公共事業省(MMPW)のメンバーで構成されたイラク代表団、イタリア代表団に加え、米国国際開発庁、ネイチャー・イラク、日本政府の代表が参加しました。この会議はイラク南部湿原に適した環境管理の支援に向けて解決すべき、データ不足の問題を話し合う公開討論の場となりました。



活動2:データ収集とその評価、および湿原情報ネッワーク(MIN)上での共有のために必要な、既存データと分析結果の変換

本プロジェクトは以下の通り、イラク側パートナー機関による湿原管理に関連するデータの収集・評価、および既存データや分析結果を変換する取り組みを支援しました。

  • 環境省:水質と生物多様性に関するデータ
  • 水資源省:水理・水文データ
  • 地方自治公共事業省:土地利用、人口動態、およびその他の関連データ



UNEPと各省は、データ分析作業の実施およびデータ追加を伴うMINサイトの管理について、基本合意書を交わしています。各省はすでに数多くの報告書や分析結果をアップロードしていますが、以前はこのようなデータを入手し、検討することはできませんでした。例えば、水資源省はリモートセンシング(遠隔観測)を使った湿原地帯の過去の変遷やアル・フワイザ湿原の再生に関する報告、湿地の再冠水に関する最新情報など、プロジェクトの現地調査に関する様々な報告書を提供しています。




人口動態・社会経済調査と固形廃棄物調査

本プロジェクトはまた、コミュニティレベルでの2件の調査を委託しました。ひとつは人口動態と社会経済状況に関するデータ収集のための調査、もうひとつは固形廃棄物管理に関する調査で、どちらもUNEPの指導と地方自治公共事業省の助言を受けながらジカール大学が実施しました。両調査とも、コミュニティレベルの生活状況と廃棄物管理方法に関するデータの不足を補完することを目的としています。以下の調査結果の概要報告書は近日中にアップロード予定です。

@ Survey on Demographic, social and economic conditions of Marshlands in the South of Iraq(準備中)
A Survey on Solid Waste Management in the Southern Governorates of Iraq(準備中)


活動3:データの互換性と比較可能性を確保するためのデータ全般の分析と管理の実施

プロジェクトでは、湿原管理に向けた多国間、二国間の様々な取り組みで利用されているデータ共有ツールや共有手法の評価を行いました。評価の目的は、現在利用中のシステムを把握し、システム間の互換性と比較可能性を検討することです。具体的には、UNEPが開発してMINで使われているEST情報システム、米国の取り組みで利用されているClaromentisシステム、インターネットを利用したファイル交換システム(FTP)、そしてCDやDVDのフォーマットが検討の対象となりました。分析の結果、3階層データシステムに基づいたデータ共有の方法について提言が作成されました。

またプロジェクトでは現在、MINプラットフォームと、イタリア政府による二国間支援によりイラク各省に構築中のウェブベースのGIS(地理情報システム)を統合する可能性を模索しています。


活動4:イラク主要機関へのノード設置に向けたMINの拡大

プロジェクトではこれまで、イラク主要機関にMINノード(アクセスポイント)を追加設置してきました。2008年3月、地方自治公共事業省にてMINサーバーの設置が完了し、ハードウェア、ソフトウェアのセットアップや地方自治公共事業省の職員のための研修も行われました。これはネイチャー・イラクの協力を得て行われました。さらに、ジカール大学が上記の〈活動2〉で実施する調査のデータ収集や分析にMINを活用できるよう、同大学に対しMINノード設置のための支援が行われました。


活動5:サーバーのセットアップ、MINのオペレーション、データ管理に関するイラク側担当者の技能習得のためにMINワークショップを2回開催

この取り組みでは技術ワークショップが2回開催されました。初回はMINシステムの利用方法と管理方法に関する研修で、2回目のワークショップでは上級訓練と技術会議が実施されました。

湿原情報ネットワーク(MIN)研修コース(2006年4月25〜26日、マナマ(バーレーン)

2006年4月25〜26日、バーレーンのマナマで、ESTIS(環境上適切な技術情報システム)と湿原情報ネットワーク(MIN)に関する2日間の集中研修コースが開催されました。この研修の目的はMINシステムの使い方の習得にあり、参加者はインターネット上でMINのサイトを作成、管理し、複数のMINウェブサイト間で情報の提供や共有を行い、知識管理の重要性について理解を深めるように指導を受けました。ワークショップが終わるまでに、各参加組織のメンバーがMINに新規のウェブサイトを作成、または既存のサイトに新たな情報を追加することができました。


湿原情報ネットワーク(MIN)上級研修と技術会議:イラク南部湿原に適した環境管理を支援するために克服すべきデータの不足(2006年6月27〜30日、滋賀)

MIN上級研修と技術会議がイラク各省の職員のために開催されました。開催の目的は、MINサーバーのセットアップ訓練と操作訓練を行うこと、各省がMINで利用できるデータを効果的に分析、発表、共有できるように支援すること、そしてイラク南部湿原における人口動態と社会経済の基本データならびに固形廃棄物管理に関する初回データ収集活動の戦略を作成することでした。技術会議では、データ収集活動等、パリのプロジェクト発足会合で発表されて合意を得た提言と取り組み事項について検討されました。この会議にはイラク環境省、水資源省、地方自治公共事業省の技術専門家が出席しました。


活動6:MIN国内二次研修の支援

より多くの職員にMINの利用と管理についての研修を行なうために、イラク国内二次研修が開催されました。この二次研修は環境省が主催し、すでにMIN管理研修を終えた職員によって実施されました。UNEPが作成したアラビア語と英語の研修マニュアルが参加者に配布され、これを用いて研修が進められました。


第2フェーズ-Aその他、現在進行中の取り組みによって改善された問題点を見極め、優先すべき新たな改善課題を明確にするために評価会議が開催されました。会議にはイラク側高官とイタリア政府の代表が出席しました。これまでに実施した活動が説明され、参加者から肯定的な評価を受けました。会議による提言の中には、情報やデータの管理システムを活用するための能力開発の継続実施、社会状況に具体的かつ明確な効果をもたらす取り組みの支援、ドナーとイラク側関係機関の調整と連携等の事項が含まれています。