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背景


イラク南部湿原は、環境及び社会文化の点から重要性をもつ、中東地域において最大の生態系を有する湿原です。最近のUNEPやイラク復興のための国連/世銀のニーズアセスメントの報告によれば、イラク南部湿原の破壊は、イラクが直面する主な環境、人道上の問題の一つとみなされています(国連・世界銀行(2003年)より)。国連の調査とイラク当局が特定したイラク南部湿原の重要な問題点と優先事項は以下の通りです。

湿原の破壊

2003年には現地住民が水門を開いたり堤防を破壊した結果、湿原に水が戻リ始めた一方で、破壊以前の元の面積の20%から30%回復したに過ぎず、生態系の復元レベルもまちまちです。湿原の水は農薬や土壌や地下水に含まれる塩分、未処理の産業排出物、上流からの廃水で汚染されています。水門が無計画に破壊された結果、いくつかの地域では汚染された水が沈滞し、植物や魚の生態回復に悪影響を与えています。水質と湿原管理は、住民の健康と暮らし、生物多様性、生態系保護等のための優先課題です。

飲料水の欠如

2003年の国連機関の調査報告や米国国際開発庁(US AID)の公衆衛生調査ではイラク南部湿原の住民には安全な飲料水の供給が緊急課題であるということが明らかになりました(国連(2003年)より)。住民の中には配水車から飲料水を購入している者もいますが、多くは湿原の水を未処理のまま直接飲料水として使用しています(US AID(2004年)より)。

衛生設備の欠如

2003年の国連機関の調査報告では、イラク南部湿原地帯のほとんどの集落に基本的な衛生設備がなく、排水が近くの川や道路に垂れ流しになっている実情が明らかになりました。50%の集落の路上で汚物が確認され、水系伝染病が発生するなど、公衆衛生が問題となっているため、排水処理が緊急に必要とされています。また、かつての避難民がイラク南部湿原地域へ帰還してきているため、飲料水と衛生設備の供給負担も増大しつづけています。