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コンポーネント1:政策立案と調整のサポート


湿原管理計画の策定は、環境問題だけではなく、国境を越えた資源配分、農業、産業、食糧生産、土地活用、社会文化的な伝統、離散住民など、さまざまな分野に関わる専門知識や見識を必要とする長期的プロセスです。そのため、計画の策定にあたっては上記分野における個々の政策立案および上記分野間の調整、コンセンサスの形成、本質的な方策、政治的意志、制度面での能力が必要となります。

こうしたプロセスを補完するべく、現在、調整メカニズムの強化、環境に適正な情報の提供、客観的な分析などが必要とされています。それと同時に、当面の環境対策の選定・適用、およびイラク国内における長期的な環境管理能力の開発なども優先事項として挙げられます。本プロジェクトでは、以下に述べるコンポーネント1の取組みを通じて、こうしたニーズ、優先事項に対処しています。


PIUの設置

2004年11月、イラク環境省内にPIU(プロジェクト実施ユニット)が設置され、イラク国内コーディネーターが配置されました。イラク国内におけるプロジェクト活動の調整・支援は、第2フェーズ以降の活動支援も含め、PIUが行っています。


円卓会議(2004年9月21-22日、アンマン)

この地域における各種取組みを支援していくにあたって、関係する国連、および二国間の枠組みによる組織は、適正な湿原管理の実現に向けて協調した対応が必要です。このため、UNEPは2004年9月にヨルダンの首都アンマンにおいてイラク南部湿原に関する円卓会議を開催しました。会議ではイラク南部湿原における環境やその他の問題に関連して同湿原内外で進められている各種取組みの現状が共有され、管理計画の策定に関する話し合いが行われました。イラクからは環境大臣とともに水資源省およびアラブ湿地フォーラムの代表が、日本からは環境大臣および複数の政府高官が参加しました。また、他のドナー国や各種国連機関からも代表が参加しました。UNEPはこの他のドナー調整会議にも参加しています。

環境に配慮した政策策定への支援

UNEPは、現在イラクで進められている管理政策の策定プロセスに環境要因を適切に反映させるべく、アセスメント作業の支援を行っています。こうした支援を通じて、適正な環境科学および政策面に関する視点を取り入れた、客観的な分析を行うことを目指しています。

イラク南部湿原環境管理に関するドナー調整会議(2005年11月6-8日、パリ)

イラク南部湿原の復旧・管理を目指し、現在、二国間の枠組みによるさまざまな取組みが行われています。この種の国際的取組み間で協調可能な分野を特定することによって相乗効果を生み出すと共に、活動内容の重複を避けるためには関係国間の調整が欠かせません。そのため、2004年初頭にイタリア政府の呼びかけにより関係国による協議が行われました。続いて2005年11月6-8日、イラク南部湿原環境管理に関するドナー調整会議がUNEPによりパリで開催されました。同会議では、イラク南部湿原における各種取組みの進捗状況の確認、今後継続的に支援が必要な分野や協調が可能な分野の特定、調整プロセスの検討、および各種提言が行われました。

第1フェーズ完了後の各ニーズのアセスメントおよび政策

本プロジェクトでは取組みの成果や観察結果を参考に、湿原管理に関する政策および制度面の強化についてアセスメントを行っています。UNEPのPost-conflict Assessment Branchが別のプロジェクトでイラク環境省の組織能力のアセスメントを行い、2005年、2006年には提言がまとめられました。本プロジェクトから得られた知見は、最終報告書に盛り込まれる予定です。

本プロジェクトはイラク南部湿原の住民の可及的速やかな状況の緩和に有効であり、マスタープランの開発・実施にも貢献する成果を出しています。また、長期的な管理計画において、当初の目標およびこれまでの成果が失われないよう、UNEPでは定期的な対話と調整業務を行っています。さらに、本プロジェクトの各種取組み(特にパイロットプロジェクト)が、今後起こりうる再冠水(詳細は長期湿原管理計画に規定)によって影響を受けないよう、実施地点の選択を行いました。

パイロットプロジェクトは、イラクの中央および地方政府の全面的な協力の元で進められました。これにより、イラクの国内機関が今後、飲料水と衛生設備の供給や湿原の管理に関する適切な施策を幅広く実施していく際に、プロジェクトの成果や新たに得られた戦略が積極的に活用されていくことが期待されます。また、優先分野のリストとその現状、個別の応用事例に関するデータ、および設計・メンテナンスに関する情報など、プロジェクトから得られた各種データは、引継書類としてまとめられました。さらに、こうした知見が長期的に活用されていくよう、本プロジェクトでは政策・戦略面での提言を行っています。